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【本の感想】

こんにちは。

本の感想


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【愛書狂】鹿島茂


 前にも書きましたが

「私には、この本たちを
世に知らしめる義務がある。」

・・・いいコピーだ.。゚+.(・∀・)゚+.゚

看板に偽りない所もイイ

19世紀フランスオタクで大学教授の仏文学者で作家、鹿島茂のコレクションの
数々から、多数の図版を引用しつつ紹介される、入手困難(で高価)な
19世紀フランス稀覯本たちとこの時代を代表するイラストレーターたち

幾ら言葉を重ねても、絵を見ていただかないとどんな絵や雰囲気か
わかっていただけないのでこの本から一部転載(絵は全て著作権切れ)

本の装丁は大体こんな感じ


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当時は上流階級だけでなく、一般庶民にも手が届くよう、分冊形式でほどほど安価で
出版されていて、完結すると、裕福な層はこのように手の込んだ装丁をします



イラストレーター紹介

ガヴァルニ(私のイチ推し)

この本にはあまり載っていないですがお洒落な可愛らしい女性のモード画も
得意なガヴァルニ

当時も、多分今でも女性に人気


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グランヴィル(鹿島茂のイチ推し)

泥臭く、風刺の強い暗めの作風
動物や昆虫、鳥など人外の生き物を擬人化して描く風刺画が大人気で
ブームになった


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アメデ・ヴァラン(私はグランヴィルの後釜で、ユーモア溢れるこの人の
作風が好き)


画像は野菜の擬人化「野菜の帝国」より
 
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モノクロなのに華やかなルペールの木版画など


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・・・他にもいろいろなタイプの絵が紹介されています

挿絵本は、やはり絵がメイン。でもバルザック等著名な作家も寄稿していて
なんとも贅沢

ノートル=ダム・ド・パリ」「家なき子」「レ・ミゼラブル」「さまよえるユダヤ人」
などの本も印象的な挿絵と共に紹介されています

正直な所、微に入り細に入りの、安くても10万円とかいう古書収集譚は、
こういう本を買う客層(¥3500位の本を買うのがせいぜい、それ以上だと迷うような)
にはあまり役に立ちません。その話はあっさり書いて、図版を大きく掲載して
欲しかった

恐らく普通は入手不可能であろう稀覯本のあらましを紹介して、多数の図版を
載せてくれた事は貴重だと思います。


細密画や風刺画が好きな方
是非この本を購入してお手元に置くことをお薦めします

大切にして何度も眺めたくなる、宝物的な一冊。

 
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