最近読んだ本の感想(ジャンル様々、ネタバレなし)
本日は、最近読んだ本を簡単に御紹介してみたいと
思います。(独断の評価◎←○←△←×の順)
「ウェルズSF傑作集」①② H・G・ウェルズ ◎
19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したSF界の
巨人。スペース・トラベル、タイムマシン、侵略テーマ、
異次元テーマ等の基礎を作った人。
今読むと、作品によってはツッコミ所が多いけれど
発想の自由さに身を委ねると結構面白いです。
人物描写が優れていて読みごたえ有り。
読んでいて先の展開が待ち遠しくなります。古い本
ですが安部知二の翻訳は◎。一読の価値あり。
「音楽マル秘講座」 山下洋輔他 ○
パーカッショニストや音楽学研究者との対談本。
それぞれの分野で秀でている人達だけあって
造詣の深い会話に興味津々。
個人的にはクラシック音楽業界の裏話が面白
かったです。
「植物はすごい 七不思議篇」 田中修 ○
桜やアサガオなど身近な植物の不思議を解説。
植物の越冬法や何を基準に開花するかなど
様々な薀蓄が散りばめられ面白いです。
植物を見る目がちょっと変わります。
「サキ短編集」 サキ △
最近流行らしい「厭な物語」系の本の先駆け。
読者をなんとも言えず不快な気分にさせる
オチの数々。
「これとこれがこうなったけどこうなって
しまった」パターンの話が多く、オチが読めて
しまいます。
それを気にしなければそこそこ読める本。
「鬼談百景」 小野不由美 △
99篇もの怪談話を全部作者本人が考えて
書いたのなら凄いと思いましたがそうでは
ないと知りちょっとがっかり。
作品数が多く短いP数のものが多いので
「話」というより「ネタ」止まりになっている感
が強いです。
オチもほとんどないです。
軽く読める怪談ネタを読みたい人向け。
秋葉原系オタク青春漫画。
作者のシニカルな視点や描き方がオタク系
読者の反感を買ったそうですが、その点は
長所の裏返しでもあるので気にしないほうが
良いかと。
コミカルで繊細でもありパワーもある漫画手法、
絵、ネーム(台詞)演出すべてに長けている人
なので一読の価値はあると思います。
楽しく切なく甘酸っぱい青春を体感できます。
コミックの表紙絵は時々微妙ですが「漫画の
絵」はすごく上手い人。
(特に顔の表情と手の表現)
「サマーブロンド」エイドリアン・トミネ ○
日系4世が描く文学の匂いがする青春漫画
短編集。
アメリカンコミックの邦訳。本の帯の文章で
レイモンド・カーヴァーを例えに出すのは
少々褒めすぎな感がありますが路線は近い
です。と同時に独自のカラーも持っています。
作品の構成はうまいと思うけれどラストが
ちょっと物足りない感じだったり、二度目に
読むとあぁ、そういうオチなのかと印象が
変わったり。
いろいろな視点から読める本です。
淡泊でリアル系の絵は好みがわかれる所。
(本にはビニールカバーがかかっており、
表紙には人物の「顔」が出ていません。
商売上の戦略だと思いますがちょっと
騙された感有り)
私は魅力を感じませんが話には合っている
絵だと思います。
日本の漫画とちょっと違う絵と雰囲気を試し
たい方には良い本かも。