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【映画の感想】

こんにちは。

映画「菖蒲」を観ました。

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(画像は映画.comから一部転載)


タイトルにもなっている「菖蒲」は、生と死、両方のイメージ。
生は儚く死と隣り合わせというのがこの映画のテーマの模様。

冒頭、リアルで夫に死なれたヤンダがひとり、ホテルのベッドから起き上がり

「ハイヒールを履いて窓際でタバコをスパスパ吸いながらのモノローグ」
始める場面

これで監督は、夫を亡くした女優の孤独を描いたつもりらしいですが
私には「哀しみ」が感じられなかった・・・

彼女の動作が、前もって指示された通りそっけないと思えたからかも
しれない。もう少し自然な感じだったら印象が変わったかも。

「演技してます私は女優ですアピール」前面に出されて、クールに見えるけど
実は悲しいのよイメージ押し付けられても哀しみは伝わってこない。
オイオイ泣けばいいかというとそういうものでもないと思うけれど。


亡くなった息子達への負い目や老いの悲しみから、
ボグシという若さの象徴のような美青年(とは思わないけどたぶんそういう
設定)に惹かれるヒロイン

それは分かる気がする・・・でも彼女がいるボグシの裸やシャツ1枚の
上からペタペタ体を触りまくったりキスしたり抱き合ったり逢引は・・・
何か違う気が。


好意的に解釈すれば相手も自分も「生きている」事と「青年の若さ」を
触って実感したかったのかとも取れなくないですが・・・
じっと見つめる眼差しとか仕草とかでも伝わるものはあるのではないか
と思う(私が見過ごしたのかな?)


ヒロインが、自分の彼女に気に入られたいから本を読みたいと
ボグシに
言われて
渡す本が「灰とダイヤモンド」・・・監督の自画自賛

監督が出ている撮影現場を挿入したのも蛇足だと思う。

・・・監督の「映画の中に(老いを感じた)自分の痕跡を残したいエゴ」の
ように見える

ヤンダの夫の撮影監督は、ワイダ監督と親しかったそうですがこの映画の
作りは、友の死を悼むというより「美味しいネタ」にしているような気がして
しょうがない。それはヒロインであるヤンダにも言える事だけど創作する
者の業というべきか。。。

夫婦だから互いに愛情MAX、友人だったから信頼MAXとは限らない事を
リアルというならリアルかも


最後まで飽きずに観られて退屈はしなかった点、時折セリフや映像に
印象的な場面があった事等から✩は2つ半。

ちょっと辛口レビューでした。